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~春レシピ~
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読書のお供に~野草茶
​ 最近、私がハマっているのが、野草茶に生姜のすりおろしとクコの実、松の実、そして蜂蜜を入れて飲むこと。
 クコの実と蜂蜜のほんのりとした甘みと生姜のきりっとした辛さがよく合うのですが、そこに、もう一つ加えているのが”手作りマーマレード”です。ほの苦い甘さが広がってとても美味しいです。

 

 
​ 苦みはデトックス効果?

​ 春は冬に溜め込んだ体の老廃物を出すために苦みのあるものをとるといいそうです。

 
​ 八朔や夏みかんの皮でつくるママレード。かき混ぜずに弱火で静かに煮ると、少し苦みが残った黄金色の美味しいママレードになります。
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あわい初恋のほの苦さを描いた物語をご紹介したいと思います。
 
​初恋は”ほの苦い”!?
 
 
​『恋におちた人魚』 
​    
ーアリス・ホフマン

​ ちょっとわがままな人魚が恋するのは、海辺のカフェでアルバイトをしているレイモンド。大学に進学予定の彼は、仕事の合間に本を読んでいて『大学に進学するのに十分な本が読めたかなぁ』なんて呟く好青年。
 人魚の恋を手助けするのが、親友同士のクレアとヘイリー。クレアがフロリダに引っ越すことが決まっていて、二人には別れが待っています。

 友人との別れや人魚と青年の恋、、そんな人生の難しさを登場人物たちがどう乗り切っていくのかが読みどころです。
​『田園交響曲』 
​ 
ーディヴィット・ロッジ『起きようとしない男』より

​ イギリスの町が舞台。教会のユースクラブでキリスト降誕の劇を取り仕切る少年の初恋が描かれます。筆者はロンドン生まれ、とてもイギリスらしいお話。ユーモアと優しさに溢れた大人のための物語。

 
春にかかせない菜の花ほの苦さ
​ チョビとお散歩にいく河川敷には、春になると菜の花が咲き乱れます。春を知らせる菜の花を、ベーコンや魚介とパスタにしたり、茸やトマトとオープンオムレツしたりして、楽しんでいます。

​ 『菜の花と小娘』は、当時アンデルセンを愛読していた志賀直哉が書いた小品。
​ 頼りげなく繊細な菜の花と優しく責任感の強い小娘のやりとりがとても素敵な物語です。
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​菜の花のオムレツ
ソーセージ、きのことたまねぎ、菜の花は炒めて少し蒸し焼きに、ミニトマトは半分に切ります。

 
​『菜の花と小娘』 ー志賀直哉
 
​ 『ある晴れた春の静かな午後』に、山仕事にきた小娘は、山頂に独りぼっちで咲く菜の花に出会います。
 里のみんなのところで暮らしたいという菜の花の願いをかなえるため、少女のお奮闘が始まります。

​ 里へと向かう川を流れ降りていく菜の花を追いかけて少女が走ります。アクシデントを乗り越えて菜の花が無事に仲間たちのところへたどり着けるよう、菜の花を励ます少女。誰かに伴走してもらえると、困難なことも案外乗り越えていける、、そんなお話です。

 
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​からだの”気”をまわす
           
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​塩レモン~レモンに塩をまぶして、1週間~1カ月ほどつけます。お料理の味付けに足して爽やかな風味に。
 檸檬の香りや酸味は、私たちをどこか解き放たれたような気持ちにしてくれます。

 高村光太郎『智恵子抄』では、死を目の前にした千恵子の意識を束の間よみがえらせるものとして謳われたレモンは、梶井基次郎『檸檬』で「えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた」主人公の心を救うものとして登場します。
 
​ 柑橘系の食材の香りや酸味を味わうことで気の流れを意識してみるのはいかがでしょう。


トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ・・・
    ―智恵子抄『レモン哀歌』

 
『レモンケーキの独特のさびしさ』 -エイミー・ベンダー
 9歳の誕生日に、食べると料理を作った人の気持がわかってしまうという能力をみにつけたローズ。明るく振る舞う母の内側に飢えや空虚さがあることを知るのでした。ロスを舞台に少女の成長と家族の秘密が描かれます。

 
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​ 春は体調を崩しやすい時期


 

 春の初めは寒暖差が激しく風邪を引きやすいですし、滋養のあるものをしっかりとっていきたいですね。
 また、気持ちが高揚しやすいのも春ならではですが、高ぶった気持ちは落ち込みやすさと裏表です。時には気持ちが落ち着くお茶などを飲みながら過ごす時間を作りたいですね。ゆっくりと面白い本でも読みながら。
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鶏肉のウーロン茶煮
八角、生姜、お酒、醤油で煮ます。
​ 『春風の吹く町』~小川未明 

​ 中国から旅芸人の親方に連れられて、日本にやってきた金さん。ところが親方が病気で亡くなり、ある町の本屋に丁稚奉公することになります。真面目で我慢強い金さんは、よく辛抱して一人前になると小さな本屋を持つのでした。
 
 本屋に通ってくる子供たちを温かく見守る金さん。人柄の良い金さんのお店は、いつもたくさんのお客さんで賑わっているのでした。
 
 そんな金さんは、本の大好きな良ちゃんと知り合います。金さんは、貧乏で本の買えない良ちゃんに『金太郎』の本を贈りました。
​ 
ある年の春、金さんは風邪を引いて体調を崩します。町のみんなが心配する中、金さんのもとを良ちゃんのお母さんが訪ねてきます。「私に一番効くのはランの実なんですが、、」という金さんのために良ちゃんのお母さんは、らんの実を探すのでした。
 お読みいただき、ありがとうございました。

 様々な植物が芽吹き伸び行く春という季節。いろいろなことに挑戦したくなる季節ですが、つい無理したり背伸びしたりするのもこの季節、、。皆さまどうぞご自愛くださね。

​ ―『春風の吹く町』『智恵子抄』は青空文庫で読めます。
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