翼文庫
Little Hiyori and Tyobi
Meet The Books
ハチドリ舎さん
平和公園近くのハチドリ舎さんは、ブックカフェです。
戦争や日常の生活にかかわる本を中心に置いてある他、大小さまざまなイベントをされています。
店内は明るく、靴をぬいで上がるスペースはゆっくりくつろぐことができます。
店内に入るとすぐに、ほがらかな女性店員の方がお店の企画などについて説明してくれました。
ワンドリンクで語り部さんの被爆体験を聞くことができると知って、お願いしてみました。
お茶をしながら談笑されていた4人の穏やかな感じの年配の男性陣が、語り部さんでした。
『この世界の片隅に』をたずねて呉の街を歩きました。
呉は戦時中は、軍港としてさかえた街です。広島から呉の灰が峰にお嫁にきたすずさんの日常は、貧しく苦しくとも明るく細やかなものでした。
『この世界の片隅に』では、原爆の被爆、家族の死と再生、生きることの意味や人と人との絆をいていますが、今までの戦争文学と違い希望が真ん中にすえられた作品です。
平和な日本で育った私達に、戦争の残酷さや卑劣さ人間の醜さを理解することは難しいかもしれません。
広島市内のハチドリ舎さんでは、飲み物をオーダーすると語り部さんのお話が聞けます。質問もできます。
呉と広島に戦争を考えるきっかけを探して旅してみませんか。
語り部さんと話す
戦争を知らない私は、いわゆる戦争文学にアレルギーのような違和感がありました。
小学校の時に、原爆資料館の蝋人形を見て以来、怖さが勝って感じたり考えたりできず、拒否してしまう感覚です。
「焼野原の上に青い空が広がった日もあったのではないのでしょうか。それは描いてはいけないことなのでしょうか。」というよな漠然とした質問に、語り部の方は丁寧に答えてくださいました。
「市内の基町高校の美術部の高校生さん達が、被爆された方の話を聞きとって、原爆の絵を描くという活動をしています。実体験のない美術部員さんに、被爆者は「もっと恐ろしかった。もっとひどかった」とダメ出しされるそうです。あまりに残酷な経験が、被爆者の心に、たとえ晴れた日があったとしてもそうと感じられないほどの恐ろしい思いをしたのではないでしょうか。」
お話を聞いて、悲惨で残酷な真実から目をそむけるとは、苦しい思いをした人たちを無視することになると感じました。