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翼文庫
Little Hiyori and Tyobi
~ひより菜園日記 2年目の畑~
こぼれ種からの矢車草と紫蘇
〇畑でやってみたいこと!
ひより菜園日記にようこそ!
こちら、素人の畑奮闘記になります。
昨年の様子⇒はじめての畑
何かを始める時、誰でも希望や夢を描くもの、、
そう!私の心の中にも、ひより菜園に描く小さな夢がありました。
小さな菜園の小さな夢。それは、、
まず、野菜だけでなくお花やハーブが混在した菜園を目指しています。
そして、次の年に、こぼれ種から芽が出たらすごく楽しいだろうな、、!!って思ってました。だから、矢車草と紫蘇が勝手に生えてきたの見つけた時は、とっても嬉しかったです。
矢車草は、昨年と比べると茎が細くて背丈も短めですが、6月ころから畑の真ん中で可憐に咲き始めました。(マリーゴールドも植えていたのですがこちらはすっかり無くなりました。)
夏にかかせない紫蘇は、順調に大きくなっています。嬉しい!
他に、普通のスーパーには売ってない珍しい野菜を育ててみたい!!というのがあって、昨年は赤いジャガイモ、今年は紫のジャガイモを植えてみました。
植え付けは3月のころ。しばらくすると、昨年の堀り残しから出た芽があちこちに見えて、なんだかとっても可笑しかったです。
収穫の時期、つい同じ場所に植えてしまったものは、掘っても掘ってもジャガイモが無く、、
「きゃぁあ~!連作を嫌うという噂はやっぱり本当なのね!」
と目を白黒させる安定のひより菜園です。
そして、アシタバも植えてみました。アシタバは、薬っぽい味?少し苦みがあって、独特の風味やクセがあります。天婦羅にしました。山菜の天婦羅みたいな感じですが、もっとはっきりとその風味が口の中に広がる感じでした。
収穫した紫のじゃがいもは、定番のポテトサラダに!
~国木田独歩 『牛肉と馬鈴薯』
明治の紳士たちが集まって人生論を語り合うお話。馬鈴薯(じゃがいも)を食べてて理想主義に生きるか、お金を稼いでビフテキを食べる(現実主義に生きる)かという二者択一の話題に対して、紳士のうちの一人である岡本氏(多分独歩自身?)の見解が述べられます。
牛肉党だ!馬鈴薯党だ!と喧々諤々の彼らに対して、岡本氏は、静かに恋した人の死について話し始めます。そして『不思議なる宇宙に驚きたい!』という彼の切なる人生への願いを述べるのですが、、
七人の登場人物の誰が何を考えてどう喋っているのか、というオモシロさ。そして、十分現代にも通じる人生談義、、短編小説です。
さて、それでは、順次ひより菜園の様子を追ってみたいと思います。
〇昨年の12月の畑
12月の畑はさびれた商店街を思い出させます。
セロリって夏野菜のイメージがありましたが、12月までずっと葉が青々と茂っていました!畑から取り除くには忍びなくて、そのまま置くことに、、。
春から一度も実をつけないワイルドストロベリーが葉を赤くしながら冬の寒さに耐えてます。手前は高菜です。たしか11月ころに植えたかな?高菜漬けに憧れて植えてみました。(、、結局、失敗するんですが、、、)奥はカリフラワー。ちゃんと白い部分ができました。あの白いところは花蕾(からい)という蕾部分なのですね。
〇3月ころ
お雑煮には畑の横に生えた三つ葉
気温もあがってきた3月の頃、ソラマメ、アシタバ、紫じゃがいも、キャベツを植え付けました。
小さな苗が並んだ様子はまるで野菜の幼稚園。
成長を願って水やりをしました。
ところが、新しい仲間の横で、春からいるワイルドストロベリーやブラックベリー、ミントといったハーブの元気がありません。
水分が多く粘土質の土が、ハーブに向いてなかったのかと諦めかけました。
なんというか、学校に馴染めずにいつのまにかいなくなってしまう生徒を心配する気持ちでした。
キャベツ
アシタバ
高菜
そらまめ
ワイルドストロベリー
セロリ
キャベツ
〇5月、6月
5月、6月。ルッコラの花が咲き、ソラマメの実が膨らみはじめました。
矢車草が咲き始めたのもこの頃です。
そして、葉ものは収穫の時期が!
キャベツを収穫しました。高菜やアシタバも葉を取っては煮びたしや天婦羅で楽しみました。
収穫後のキャベツから次々に芽が出てびっくりしました。このキャベツの赤ちゃんたちは、畑に植えると育つらしいので切り取って植え替えてみました。
満開のルッコラ
ちょっとひと息~美味しいレシピ!
ドクダミ茶
洗って乾燥させて、指で砕いて煮だすだけの簡単なお茶です。すっきりとした味が気持ちを晴れやかにしてくれます!
マーマレード
煮こぼさずに作るマーマレード。かき混ぜないことがコツです。一晩水に浸してひたすら煮詰めます。
桜の塩漬けクッキー
八重桜の塩漬けをのせたクッキーです。塩を水に浸してよく抜いてから使います。見た目も可愛い春の焼き菓子です
収穫前の紫じゃがいも
花が咲く気配のないブラックベリー
~太宰治 『失敗園』
自宅の6坪ほどの庭に植えられた野菜たちの呟きを速記するという設定の短いお話。
『愚妻は、ここに、秩序も無く何やらかやら一ぱい植えたが、一見するに、すべて失敗の様子である。』と書く彼は、妻のためにヘチマ棚を作ってあげる優しい男性です。
ちょっとクルミの苗の呟きを聞いてみましょう、、
「僕は、孤独なんだ。大器晩成の自信があるんだ。早く毛虫に這いのぼられる程の身分になりたい。どれ、きょうも高邁こうまいの瞑想めいそうにふけるか。僕がどんなに高貴な生まれであるか、誰も知らない。」
面白いですよね。花咲かぬ矢車草も登場します。青空文庫で読めます。とても素敵な短編です!
〇初夏の畑
桑の実が甘くなってドクダミに白い花が咲き始め、梅の実がほの黄色くなり始めたころ、畑では、大きく育ったソラマメや紫のジャガイモを収穫しました。
収穫はもちろん嬉しいことですが、小さな畑では他にも驚くできごとが沢山おこりました!
ハーブたちは、突如元気になりました。ミント、ブラックべりーの葉が生い茂り、昨年は実をつけなかったワイルドストロベリーに沢山の赤い苺が!
甘さが濃くて独得の風味が!う~ん美味しい!
そして二度目の春を迎えたセロリに花が咲いたのです。置いててよかった。掘り返して捨てなくて良かったと思いました。
セロリの花は淡雪のような可愛い花なのですが、天婦羅にして食べれるらしいです。
~ジャックと豆の木の結末~
売りに行った牛と魔法の豆を交換して帰ってきたジャック、お母さんは怒って庭に豆を投げ捨てます。
翌朝、空まで伸びた豆の木を伝って雲の上の巨人の家にたどりつくとそこには、沢山のた宝物が、、有名な童話ですが、この結末、どんな風だったか覚えていますか?
巨人の宝物を抱えて降りてきたジャックが豆の木を切り倒してメデタシメデタシ!おしまい!!私はそんな風に思ってました。
童話ができたころのイギリスの中世は、ちょっと無謀なくらいの冒険心が生きる術としてもとめられていたのかもしれません。
でも、現代に必要なのは、子供たちが自分にあった等身大の幸せをみつけること。豆の木を切り倒すことで魔法が解け、財宝は消えて、、『人のものを横取りしたものでは本当に幸せにはなれない、幸せは自分の力で掴むもの、、』とお母さんからさとされる結末が多いそうです。
絵本の紹介~『エディのやさいばたけ』(作 サラガーランド)
自分の畑をつくりたくなったエディがお母さんと妹のリリーと一緒に野菜作りに奮闘するお話です。
家族でピクニックしながら収穫したかぼちゃで作ったパイを食べるところが素敵でした。
今、ひより菜園では5種類のトウガラシを育てています。細長かったり、丸かったり、形も味も様々なトウガラシがすくすく育っています。
夏にはこのトウガラシをペーストにしてカレーを作るつもりです!
お読みいただきありがとうございます。
夏のひより図書館は、海旅をテーマに私設図書館巡りを企画中です!お楽しみに!
作: サラ・ガーランド
訳: まきふみえ
出版社: 福音館書店
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