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翼文庫
Little Hiyori and Tyobi
アンデルセン (著), 天沼 春樹 (翻訳) 新潮文庫
『マッチ売りの少女』
貧しいマッチ売りの少女が過ごすクリスマスの夜。
マッチの炎の中に幻影を見ることで自分を慰めています。
貧しい少女に手をさしのべることのない街(社会)の冷たさ、少女がおばあさんの幻影に導かれて天国にのぼったことも何人も知らないのです。賑やかなクリスマスの夜マッチ売りの少女を気にかける人は誰もいなかったのです。
ウィーダ (著), ハルメン・ファン・ストラーテン (イラスト), 野坂 悦子 (翻訳)岩波少年文庫
『フランダースの犬』
画家になることに夢と希望を託しながら貧しさの中を正直に前向きに生きた少年ネロ。
悲しいけれど美しく感じる結末。”永遠の中に包まれて天国に上るネロとパトラッシュ。
ルーベンスの絵とつながったネロは幸せだったに違いありません。
作 宮沢 賢治 絵ささめや ゆき出版社 三起商行(ミキハウス)
『よだかの星』
みにくさからあらゆる存在からつながることを拒まれる”よだか”。誰も恨まず、誰も憎まず、夜空を駆け上り”星”になります。
そうなることで地上のものたちと”よだか”は繋がったのです。それがよだかの戦い方だったのです。
清水 徹 (翻訳), 清水 美智子 (翻訳) 集英社
『友情』
ユダヤ人の少年とドイツ人の貴族の少年の友情。世相に負けて壊れたかに見えた友情の真実が最後の一行に明かされます。
友情とは人と人の繋がりは、、、。
フレッド・ウルマン (著)
井伏鱒二
新潮文庫
『さざなみ軍記』
京から瀬戸内海の島々の間を西へと落ちのびてゆく平家の一群。
苛酷な戦をたたかい逃げのびながら、ほんの数回会っただけの少女との絆を胸に刻んで大人へとむかう若い公達。
滅亡と恋のコントラストが印象的です。
ヒルトン (著), 菊池 重三郎 (翻訳)新潮文庫
『チップス先生さようなら』
チップス先生はイギリスの私立男子校のラテン語の先生です。
前線に一人の若者がチップスのもとを訪ねます。
他人からかけられた温かい行動。冷めることなく心を温め続けていることもあるでしょう。
ガブリエル・ゼヴィン (著), 小尾芙佐 (翻訳)早川書房
『書店主フィークリーの物語』
街の小さな書店の物語。店に捨てられた2歳女の子を育てるうちに、偏屈な彼が街の人たちとつながっていきます。本が中心に据えられた読書好きにもってこいの物語です。フィークリーの文学語りも面白いです。
今野勉 著 日本放送出版協会
『鴎外の恋人』
鴎外の恋人を探してドイツや日本を縦横。鴎外の欧州での生活をたどり挫折したエリートの心情を鴎外の漢詩の中に探しています。
「鴎外の心の中には生涯15歳10か月のエリーゼが生き続けていたのである」と結ぶまでの人間鴎外を検証しようとする筆致に圧倒されます。
少女と鴎外との出会いと忘れえぬ絆を追い求めています。
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